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biscuit notes

Spotifyプレイリストとか音楽のもろもろをつらつらと

RYUTist - Unknown Us



やはり、何度見てもこの冒頭部分が好きすぎる…。





去年12月にライブ活動を終了し、今年3月末をもって(芸能活動を続ける横山実郁さん以外の)メンバーSNSアカウント、ブログなど一部公式コンテンツも終了。4月末には公式Xアカウントとホームページも消え、完全に「想い出」と化してしまった、新潟古町のアイドルグループ RYUTist。ラストライブを見て気持ち的にはフッ切れたと思っていたのですが、結局その後もモヤついた感情がぶり返してしまうことが何度かあり…(理由を書きはじめると長くなるので割愛)。今はだいぶ落ち着いてきましたが、それでも思うのは2023年の春に乃々子さんがグループを離れてから、3人で試行錯誤しながら駆け抜けてきた1年半以上の時間。あの頑張りに対して相応の報いはあったのだろうか。そんな考えても仕方のないことを考えてしまいます。

ただでさえ3人としてのパフォーマンスを再構築しないといけないなか、こちら側から見えていた部分でさえ「火を見るよりも明らかに」状況が変化していっていたわけで、きっと心労は絶えなかったはず。それでも、去年夏の13周年ライブではメンバー自ら動画つくったりして盛り上げようとがんばっていて、ここ最近と比べてもライブ動員数がかなり増えたなんて喜んでたっけか。あのときは、まさかその1~2か月後に活動休止のアナウンスがあるとは…ね。努力が必ず報われるわけではない。だけどもその後の過密スケジュールとか、やたらと多かった新潟~東京間の往復とか、駆け抜けた先にふさわしいご褒美は果たして(ファン以外から)あったのだろうか、などと、つい思いをめぐらせてしまったり。

そういう心境だったなか、正月に公式があげてくださった「Unknown Us」ラストライブ動画。何回か見ていたところ、歌詞のある部分がふとした拍子に引っ掛かりました。

 かなしいことはきみに覚えててもらおう
 たのしいことはわたしが覚えてるから

「Unknown Us」は、4月中旬リリースのベストアルバムに収録された新曲3曲(!?)のうち、ラストライブで唯一披露された一曲。作詞・作曲は先日EIGHT-JAMにも出演された柴田聡子さん。「ナイスポーズ」「オーロラ」「WOOT!」とRYUTist楽曲を多く手掛けてくださったことから、ファンには「さとねえ」でお馴染みのRYUTist公式お姉さん。今回の「Unknown Us」の歌詞はというと、260円払いたくないから冬でも徒歩で拠点の古町に行っていたエピソード(冒頭のアレ)など、メンバーと会話した内容がダイレクトに反映されているのもあって、歌詞に描かれた絵を一つ一つイメージしやすい感じ。だからこそ、突然現れてくる簡単には咀嚼できないあの部分が余計に引っ掛かったのです。

だってそんなこと、あるはずないじゃないですか。脳が都合良く楽しかった記憶だけ残すとか特殊能力すぎる。ただでさえ13年間いろんなことがあったわけだし、なのにそんなありえないことをあえて言う、それってどう解釈すればいいんだろうか…。きっと「答え」は誰も教えてくれないだろうから、この際じぶん自身のため、心のわだかまりを解くため誠に勝手ながら、あの部分を中心とした「Unknown Us」の歌詞解釈を書いてみることにします。



まず歌詞全体から感じるのは、最終話の先にあるアフタートーク的な印象。先述の260円の話とか、ライブ直前はいつもばたばたしちゃう話とか、あんなことあったね、こんなことあったねと、過去を振り返りながらメンバーみんなで歓談してる、そんな絵が容易に想像できてしまうのが微笑ましくもあり。

 死んでも言えない ひみつのひとつやふたつ
 あるよね! ポッケではしゃぐ

あるよねそりゃ。かなしいこともたのしいことも、コッチ側が知らないこといっぱいあるよね。まさに「Unknown Us」。それでもてっきり「終わった今だからこそ話せること」でも話しているのかなと思いきや、

 最近は大人になったせいかな
 なにげないことばかりしゃべってる

なんて奥ゆかしさが、なんだかあのメンバーっぽい。そんな3人だからこそでしょうか。この曲の歌詞、全部が全部メンバー同士に向けられたものだけじゃなく、「ファンに宛てた言葉」も含まれてるようにおもうのです。ファンのことをずっと考えて気に掛けてくれていたメンバーだからこそ。

 きみとわたしのことを言葉にするなら
 なんて言うのがいいのかってずっと考えてる

たとえば「かなしいことはきみに~」の前にくる1番のサビ冒頭。「きみとわたし」をメンバー同士とみることも出来るけど、もともと「RYUTist」という屋号のもと一緒にいたわけで。そうなると、ここでいう「きみ」はきっと「RYUTistのファン」という色が強いんじゃないかなと推測します。文脈にこだわらず言葉を差し込む作風の柴田聡子さんなら、メンバー同士の話から突然ファンに向けたメッセージをぴゅ~!と忍ばせてくることは、ある程度の確度で有り得るはず。言ってみれば、さとねえフィルターを通して届けられたメンバーからの言伝(ことづて)。まるで「みんなのことずっと考えてるよ」って伝えてくれてるみたいな。

では、あの部分は。

“ 後ろ向きなこと言いがちな友恵さんに対して「そんなこと言うなら友恵さんに全部かなしいことおぼえててもらうッ!」って実郁さんが冗談言って「じゃあたのしいことはあたしたちがおぼえててようねー!」って夢羽さんが乗っかってきそうな和気あいあいとした風景 ”

ってのも、なんかみょーに想像できてしまいますがw でもわざわざ1番だけでなくラスサビでも出てくる歌詞なので、なにかしら別の意味合いもありそう。ただ、単純に「きみ=ファン」としてしまうと、かなしいことを全部ファンに押し付ける薄情モノになってしまう…。まあ『み、みんなが幸せになるなら、かなしい記憶は私が引き受けますよ!』とか言ってくださる優しいファンは多そうですが、それはまた別の話で。

いま確かなことは、RYUTistのメンバー3人は既にアフタートークも終え、それぞれが次の道を歩んでいるということ。そして、その様子をこちらから眺められる場所は(実郁さんのタレント活動などを除いて)以前よりも極限られているということ。こちら側から見えない分、どうしたって過去を振り返ってしまうし、ポジティブな情報提供が少なくなる分、どうにも心まで後ろ向きになってしまいそうで。

…となると、さっき書いた “ 後ろ向きな人にかなしいことをおぼえててもらおう ” みたいな意味合いは、あながち間違ってないのかもしれない。先へ向かう人としては、「過去のあれやこれや」に足を引き摺られている場合ではない。「楽しかった想い出を胸に未来へ突き進んでいくよ」と、3人がファンにメッセージを送っているのかもしれない。そういえば、ラストライブでこの曲パフォーマンスしてた3人の姿は、とても晴れやかでした。

 あれもこれも自分でやらなくなっちゃった
 きみの肩にもたれて笑う

この部分も、「なっちゃった」ってあるけど「なってしまった」というマイナスな意味合いではなく、おそらく語呂あわせ。メンバー同士の信頼感を描いていると同時に、ファンへの信頼、頼りにしていたことを表現しているように感じます。

さとねえフィルターによってユーモアある表現にはなっているけど、実はこの曲、「みんなのこと今も考えてるよ!これから次のステージに向かうけど、みんなとの想い出を忘れないよ!みんなのこと頼りにしてたよ!ありがとう!」てな具合に、ファンへのメッセージソングの側面も持ってるのでは。最近になってようやく、そんな結論に至りました。

 きみがどこかで なにをしてても
 なにがなんでも しあわせを祈ってるよ

なによりラスサビのココが最もストレートなメッセージを放っていて、聴く度にグッときてしまいます。しあわせを祈っているのは、こちらもそうだよ。届いてるといいな。

自分は相変わらず考えても仕方のないことを考えてしまいがちだけど、それより優先して自分がやるべきことは、メンバーみんなのしあわせを祈り続けていくこと、RYUTistの音楽を聴き続けること、忘れないことなんだろうな。

そして、今はそれしか出来ないからこそ、負の感情に支配されないよう自分自身をしっかり保たないと。この曲をはじめとして、様々な楽曲やライブを通してずっと届けてくれていたメッセージを胸に、「ちゃんとこれからを生きるよ」と、こちらからのメッセージを記しておきます(まあたまにXとかで愚痴るとおもいますがw)

あと、推させていただいている方に偏った話ですが、この先またどこかで何かしらの形で、友恵さんの活動を見れるときが来ればラッキーだな。そんな心持ちで生きていければと思います。



事実上の解散となった後も、一部のファンが有志でイベントを開催したり過去楽曲のライナーノーツが作成されたりと、公式の畳み具合と反比例するようにファンの動きは活発。なんて熱のある優しい方々ですかよ…。私なんてたまにライブ行っては誰かと交流するわけでもなく特典会もほぼ行かなかったような人間なので、こういう誰も見てないような場所でもどかしい思いを届けるくらいが丁度良い。

また何か書きたい意欲が溢れてきたら、ここに書き残していく予定です。うっかり忘れてたけど、まだ「WOOT!」の歌詞考察も書きかけのままだわ…
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