the pillowsの「Swanky Street」である。衝撃的だった。今まで自分が知ってた唄の歌詞は、もっと抽象的だったり、もっと嘘くさかったり、もっと無理やり元気づけたり、無理やり恋愛と絡めてきたり・・とりあえず、自分のなかではしっくり来ないものが多かった。でも、この曲はなんとなく自分とフィットする何かを感じた。それと同時に、「こんな歌詞、書いちゃっていいんだ!?」という驚きもあった。
ここで紹介した「ストレンジカメレオン」と「Swanky Street」が収録されているアルバムが、『Please Mr. Lostman』である。「SUICIDE DIVING」みたいに自殺をテーマにした歌詞を軽やかなメロディラインで歌い上げるのもそうだが、曲によっては厚いギターが鳴り響くなど(このころはまだ現在の独特なサウンドを確立するまえの過渡期ではあるが)、バンドサウンドも当時の自分には衝撃だったし、挙句の果てにはバンドのフロントマンである「山中さわお」という名前にすら「さわおって名前あるんだ!」という変な衝撃すら覚えた・・これはどうでもよかったか(ノ∀`)
the pillowsの歌詞には、なんとなく人と違う感覚、人とのズレを感じてイラだったり悲しくなったり色んな感情が蠢き、でもそれでも人には認められたいし、信じてくれる人と一緒にいたい・・完全なダークサイドではなく、どこかに光を求めている・・そういうのを曲によっては強く感じる、それが自分の気持ちとしっくり来る理由なのかなと考えている。恋愛をモチーフにした曲の場合、「君=異性」というのが王道の方程式なのだが、the pillowsの場合は「君=理解者」と解釈したほうがピタッと嵌ることが多い。特にリリース当時は、自分たちの音楽を理解してくれる人はもっと居るに違いないという気持ちはきっと強かったはず。不遇な時代にも心を完全には曇らせず、信じるメンバーとともにシンプルに自分たちの信じる良い音楽をつくってきたことで、少しずつ自分たちが望んでいた晴れ間がみえるようになったのだと思う。