いまなお、ぼちぼち解読中。
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柴田聡子さんの7枚目になる最新アルバム『Your Favorite Things』を最近よく聴いています。とにかくサウンドの心地良さがたまらなくて、一聴して好きなアルバムだなぁーって思ったのですが、ソロのシンガーソングライターさんでこんなに歌が前面に出るでなく演奏と寄り添うように歌が存在している作品もあまり無い気がします。
自分は前作『ぼちぼち銀河』あたりから聴き始めたのですが、
「給料から年金が天引かれて心底腹が立つ(「雑感」)」とか
「パチンコ行かないでえらいでしょ(「n,d,n,n,n」)」とか、散文みたく心のままに(それでいて密かに緻密に)記されるなかに突如として強い言葉が飛び込んでくる、そんな柴田さんの歌詞に魅力を感じています。ただ、今作はあまりのサウンドの心地良さで、油断しているとあらゆる言葉が耳から滑り落ちていきそうで。だからこそもっとしっかり聴き込みたい、まだ聴き逃した何かがあるんじゃないかという気持ちにさえさせてくれます。
が、自分はまずは
「あえて油断した状態で流して聴いてみて、一番最初に飛び込んでくる歌詞は何か?」という遊びをやってみたくなりました。たまにSNSで見る「四方にランダムで並べられた漢字のなかから目に飛び込んできた熟語、それが今あなたが求めているものです」みたいな。長年のファンとかじゃないズブの素人故の楽しみ方、どうぞお許しください。まずはそういう風に聴いていって、繰り返し聴くなかで徐々に歌のなかに入っていくのが良いのかなと、なんとなくそういう直感が働いたのです。そして、何度か聴いている中で最初に飛び込んだ歌詞が4曲目「うつむき」という曲の
うつむきながらでもふしぎに歩いているでした。不思議と過去の自分とリンクするものを感じたのかもしれません。俯いてても歩けてるから、なんとなく行けるような気になっちゃったり、やらなきゃいけない気にもなったり。良い事なのか悪い事なのかは時と場合によるけど、少なくともあの当時の自分は…。
柴田さんの歌詞は、具体的な描写が散在した形で配置されていながら、決してストーリーを精密に描いているわけじゃない分、聴き手の想い出とか色んな感情が入り込みやすい隙間があるように感じています。だからこそ、こんなに何度も聴きたくなるのかなと思っています。…なんて偉そうに言ってますが、まだまだ柴田聡子さんを聴き始めて短い身。最新アルバムとか
ユリイカでの特集とか、もう少し読んで聴き込んでいきたいと思います。
ユリイカ、初めて買ったのですが様々な方々のエッセイやインタビュー記事など凄いボリューム。寄稿者それぞれの紐解き方を参考にしながら、柴田聡子さんの世界に触れていければと
(特にRYUTistの宇野友恵さんのエッセイ、原稿書いてるときの感情を包み隠さず記してる感じが好きでした。すこし柴田さんにも通じるところある?)。あと勢いで併せて買った谷川俊太郎さん特集は更にボリューミーかつ重厚なので、死ぬまでにはどうにか読み解ければと…
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ここからは私の日記。
といっても大きなトピックは特に無いかな。ぼちぼちやってます。「4月以降の出社時間を想定して朝電車に乗る練習」は今週2回やりましたが、問題があるわけも無く。ついでに近場を散歩しようと、1回目は鎌倉の海、2回目は中華街→山下公園の海を眺めていました。海好きなのかな私。日本海が近いところ産まれのせいか、たまに見たくなる。数年前、千葉・館山まで行ったこともあるし。DNAにでも刷り込まれてるんですかね。あと雪を見てもなんか嬉しくなっちゃう。冬の真っ白な空とかも。
一方、休養によって一人時間 or カミさんとの二人時間が増えた影響か、他の人に会うということに若干億劫になっている感覚があります。そこは4月職場復帰すれば自ずと治るでしょう、と軽い気持ちではいますが。今日も相手が誘ってくれたおかげで久方ぶりにカミさん以外と飲んだし。3月どこかで自分から誰か誘って飲みにでも、なんて思ってましたがそれは4月に持ち越しかな。そもそもここ数年、自分から誘うということをやったことなかった気がする(会社の親睦会としての仕事は除く)。元気になってきたし、そろそろ企画したいわね。
予定では、お休みも残すところあと1週間ちょっと。せっかくの休養だし、今だから出来ることにフォーカスしたいと思っていたものの、特にクリエイティブなことをすることもなく過ぎていってしまったなあ… 仕方ない。仮に最初からやりたいことがあったなら休み関係なくやってたし。考えすぎるとまた眩暈が出ちゃうので、ぼちぼちいこかね。